最近のルアーには、まるで当たり前のように搭載されているルアーがたくさんありますが、最初に重心移動システムを搭載されたルアーを手にしたときは、ほんとシビレました。
重心移動システムは日本の発明です。
タックルハウス社のルアーデザイナーの二宮正樹さんが1987年にK-TENシステムとして製品化に成功しています。
キャスト時にはテールに重心を移動させ、着水後にリトリーブすると前傾姿勢になることを生かし、ヘッドに重心を移動させるとともに、磁石で固定するシステムです。
これが、K-TENシリーズです。バス釣りしかしていない人はあまり知らないのかもしれませんが、たぶん海のルアーマンたちは、全員K-TENシリーズ持っていたのではないでしょうか。
小さなルアーの中にちょっとした構造をつくるだけで、飛距離が伸びるというすごいアイデア。
ギミックでこれだけ1つの機能を延ばせることができるって、すごいもんだなあと思いました。
その後、ダイワからウェイトに穴をあけワイヤーを移動する構造を考案することで、重心移動システムをコンパクトにすることが可能になりました。さらに、ウェイトを筒状にすることで、さらにコンパクトにできるように進化を遂げていきます。
ルアーマガジンソルト2016年3月号「タックル進化論」記事より抜粋。
その機構を掲載していたのがショアラインシャイナーR55であり、その後続くショアラインシャイナーRシリーズです。
その後ダイワは、ショアラインシャイナーSLシリーズで、重心移動システムをダブルに搭載することに成功しています。より、細見のルアーに掲載することが可能になったのです。
ちなみに、構造が複雑になっていくにつれ、値段も高くなっていっていますが。
パテントはどうなってるんですかね?たぶん、それぞれのメーカーがパテントをよけて作っているのだと思いますが。
重心移動システムを搭載すると、約160%ほどの飛距離アップにつながるそうです。海のルアーの話なのでミノー系の話ですね。クランクベイトでは空気抵抗が大きいのでそこまでいかないかと思います。
重心移動システムは、飛距離だけでなくキャスティングのアキュラシーの安定化にもつながるため、いいことづくめです。
たしかに、システムによっては、音が鳴ったりアクションに干渉してデメリットになることもありますが。
オカッパリでは、風を切り裂いてルアーが飛んでくれるので、トラブルもすくなくなりますしね。
魚がどうすれば、ルアーに興味を持ってくれるのか、口を使ってくれるのか中々わからないことだらけですが、こういった基本性能向上はどんどん進化していくのかもしれませんね。